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episode:07

1920年代、本場、パリのモンパルナス。そんなエコール・ド・パリを代表する日本人画家 藤田嗣治。期せずして映画「FUJITA」が上映されました。
彼の絵の特徴であった「乳白色の肌」。1922年に発表された「寝室の裸婦キキ」。漆黒の背景に映える、それまでに見たこともない、月光のような淑やか肌。近年まで、その肌色の秘密が明かされることはなかったが、その肌色の下地には、炭酸カルシウムと鉛白を配合した絵具を使用し、仕上げには、そのテカリを抑える為にか、和光堂のシッカロール(ベビーパウダー)が使われていたそうだ。

色、ひとつへの探求の挙句。

藤田2
炭酸カルシウムと言えば、水酸化カルシウム(消石灰)を主成分とする伝統的な壁材、「漆喰」が思い起こされる。その主成分である水酸化カルシウムが、空気中の炭酸ガスを取り込んで硬化し、炭酸カルシウムとなる。「漆喰」の外壁。

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